印鑑の種類と役割
ハンコには、「実印」「銀行印」「認印」と三種類の印がありますが、その違いは用途によって呼び名が変わるだけで、本質的にはどれも同じ印鑑・ハンコです。
実印について・・・
実印とは、「自分自身を証明するもの」です。
あなた本人であるという証明になるのです。
自分と同様に、唯一の存在であることが大切です。
つまり、同じものがあったり、簡単に作れるようでは実印の意味がないということです。
それでは、いつから印鑑は、「実印」になるのでしょうか。
実印は、役所(市町村)に印鑑登録として届け出た時から、「実印」となります。
まず、実印の印影を市町村の役所に登録します。(実印登録)
- ー 実印登録の手続き ー
- 印鑑登録は、住民票が存在する当核市町村の住民基本台帳に記録されているものに限られます。
本籍地や実際に住んでいる場所での登録はできませんのでご注意ください。
役所から「印鑑証明」を発行してもらい、登録した実印を捺印した契約書と一緒に添付することで本人が納得し、同意した契約の書類であることを証明する仕組みとなっています。
※「印鑑登録証明書」(印鑑証明)とは、市町村に届け出(実印登録)を出した印鑑の印影と同じであると証明した書類になります。
実印のサイズは決まっており、一辺が8ミリ以上25ミリ未満の正方形に収まる大きさが条件となっています。
印章店ではあらかじめ「実印用」のサイズを実印として販売しています。
ですが、中には「実印 兼 銀行印 兼認印」等1つの印鑑を使いまわしをお考えの方もおられますが、このような印鑑の使い方は、財産を失うような犯罪被害にあう可能性もあるので要注意が必要です。
つまり、印影(ハンコの捺し型)からはんこを偽造することができるからです。
※模倣されにくい手彫りの品かどうかということがいかに大切かおわかりになると思います。
気軽に押したはんこの印影を他の人に悪用される可能性があるので、「実印」は実印として正しく管理されることをおすすめします。
もちろん、認印用の三文判を実印にするのも要注意です!
必ず、各はんこにはそれぞれ役目があり、それに応じた使用をされることをお勧めします。
※印鑑のケースも印鑑のサイズ(印面の大きさ)によって変わりますので、印鑑ケースの購入の時は気をつけてくださいね。
ちなみに・・・
※実印は、姓と名が一般的ですが、女性の中には名前のみを入れた実印を作られる方もおられます。
もちろん、実印登録できます!
実印として登録できない可能性のある印鑑
基本的には、印鑑登録をする印鑑には、規約や制限などはほとんどありませんが、以下のような印鑑は場合によっては登録することが出来ないことがあります。
- ・住民登録に記録されている氏名でないもの
- ・職業、資格、その他、氏名以外の事項を表しているもの
- ・印面の直径が8ミリ以上24ミリ以外の大きさのもの
- ・ゴム印、プラスチック、石材、その他の印鑑で変形・破損しやすいもの
- ・特殊な書体で判読しにくいもの
- ・印影を鮮明に表しにくいもの
- ・既製品(いわゆる三文判と言われるもの)で、印鑑として適当でないもの。
実印が必要になる場合
- ・金銭消費貸借証書、契約書、遺言状、金銭債務の確保の証拠書類など(公正証書の作成)
- ・土地、建物などの売買や抵当に入れる時(不動産の取引)
- ・遺産相続の時
- ・法人の発起人になる時
- ・恩給、供託など(官公庁での諸手続き)
- ・電話加入権の売買や担保に入れる時(電話の取引)
- ・自動車購入時など
- ・保険金・保証金の受け取りなどの他、婚姻届、出生届。
実印は、人生の節目、人生の転機に必要になる機会が多い重要な印鑑というわけです。
実印は模倣されにくさが一番重要になってきます。
ですので自分だけの品であり、模倣されにくい書体を選ばれることをお勧めします。
(主に実印に使用される書体:印相体(吉相印)、篆書体など)
銀行印の役割
銀行印とは、銀行で口座開設の際に届け出たものを「銀行印」と呼びます。
銀行印は、預金の出し入れ、口座の開設など金銭面に関する役割を担う印鑑です。
ですので、実印と同様に本人であるということを証明する為に使用する印鑑でもあります。
金銭面に関する大変重要な印鑑ですので、実印との併用や家族との共用、安価で大量生産された印鑑の使用はなるべく避けたほうが安全です。
模倣されにくい手彫りの印鑑、模倣されにくい書体であることをお勧めします。
(主に使用される書体:印相体(吉相印)、篆書体)
認印の役割
認印とは、どこかに登録したり、届出を出したりせずに使用するものを一般的にいいます。
また、「認印」は、「三文判」とも呼ばれています。
三文判とは、とても安いはんこだということからきています。
認印の役割は、普段の日常生活や職場などでよく使用する印鑑であり、書留や小包、宅配便の受け取りや、契約の了解、承認のしるしとして捺印する印鑑です。
ですので、いくら認印といえども各種契約書などに署名捺印したものは、民法上は実印と同じ効力を持ちますので、認印と言えども気をつけることが大事です。
主に、分かりやすさが優先されますので「古印体」という書体が多く使用されています。
以上のように、「はんこ・印鑑」といっても用途によってその種類や大きさは違ってきます。
あなたにあった、あなただけの他にはない、模倣されにくいオリジナルを持つことが重要になります。